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万葉植物 あさがほ

10月15日
読了時間: 2分


  • 桔梗の花
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  • 桔梗の花




基本情報

項目

内容

和歌中での植物名

あさがほ

和歌中での植物名表記

朝貌・朝杲・安佐我保

和名

桔梗

分類

キキョウ科キキョウ属

学名

Platycodon grandiflorus

万葉集内登場回数(首)

5




植物の特徴


桔梗は、日当たりの良い山野に自生するキキョウ科の多年草です。草丈は50〜100cmほどになり、夏から秋にかけて鮮やかな青紫色の花を咲かせます。開花前のつぼみは紙風船のように膨らむのが大きな特徴で、開花すると五裂した端正な星型の花冠が広がります。古くから観賞用として親しまれてきたほか、太い根は「桔梗根(キキョウコン)」という生薬として咳止めや鎮咳去痰に利用されてきました。




文化史・解説


『万葉集』に詠まれる「朝顔(あさがほ)」は、現代私たちが良く知るヒルガオ科のアサガオではなく、キキョウ科の「桔梗」を指すというのが通説です。古代において「朝顔」は「朝に美しく咲く花」の総称として用いられましたが、万葉の時代には主に桔梗がその代表とされていました。

特に著名なのが、山上臣憶良が詠んだ「秋の七草」の和歌です。萩、尾花、葛、撫子、女郎花、藤袴とともに「朝顔の花(桔梗)」が秋を代表する七つの花の一つとして挙げられています。万葉人たちは、朝露を受けて咲く桔梗の気品ある美しさや、鮮やかに咲き顕れる姿に情熱や秘めた恋心を重ね合わせ、数々の歌にその想いを託しました。




万葉集における和歌と現代語訳

巻8-1538 山上臣憶良

読み下し文


萩の花尾花葛花なでしこの花をみなへしまた藤袴朝顔の花〔その二〕

現代語訳


萩の花、尾花(ススキ)、葛の花、撫子の花、女郎花、そして藤袴、桔梗の花。

巻10-2104 作者未詳

読み下し文


朝顔は朝露負ひて咲くといへど夕影にこそ咲き増さりけれ

現代語訳


桔梗は朝露を受けて咲くというけれど、夕方の光の中でこそ一層美しく咲き匂うものなのだなあ。

巻10-2274  作者未詳

読み下し文


臥いまろび恋ひは死ぬともいちしろく色には出でじ朝顔の花

現代語訳


転がりまわって苦しみ、恋い焦がれて死にそうになっても、目立つように表情に出したりはしません、露わに咲く桔梗の花のように。

巻10-2275  作者未詳

読み下し文


言に出でて言はばゆゆしみ朝顔のほには咲き出ぬ恋もするかも

現代語訳


言葉に出して言ってしまえば恐れ多いので、桔梗の花のように表には出さず、秘めた恋をしていることでしょうか。

巻14-3502  作者未詳

読み下し文


我が目妻人は放くれど朝顔のとしさへこごと我は離るがへ

現代語訳


私の愛しい妻を他人は引き離そうとするけれど、桔梗の花のように朝咲いて、年をとって小言を言われるようになろうとも、私が妻から離れられようか、いや離れはしない。


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